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本城は美知流をじっと見、笑顔を見せてOKを出し、本城の笑顔を見た美知流にも、ほっとしたように笑みがこぼれていたが、その夜、美知流は眠れない夜を過ごした。
翌朝。
「本城さん、早く早くっ!ゴミ行っちゃいますよ~!」
美知流と本城が両手に大きなゴミ袋を抱えて出てきた。
ゴミステーションまで来ると、ちょうど収拾車がゴミを積んでいるところだった。
「すいませ~ん!これもっ!」
「あ~重かった。」
「こんなに溜めるからですよ。」
「つい…。でもいいじゃないの、間に合ったんだし。」
「あの~…早く渡してくれませんか?ソレ。」
「え?あ、あぁ、どうもスイマセンねぇ~。」
ゴミを持ったまま話をしていた本城は係員に言われ、愛想笑いをしながらゴミ袋を渡した。そして駐車場から車を出してくると、美知流を乗せ代官署へと向かった。
「おはようございます。」
「おはようございま~す。」
本城の後について、美知流も刑事部屋へと入る。
「おはようございます。あれ?美知流さんも一緒だったんですね?おはようございます。」
「おはようございます、ミノルさん♪」
「昨日どこか行ってましたか?何度か電話したんですけど、ずっと留守でしたよね?」
ミノルが訊ねた。
「あ、ごめんなさい。昨日泊まってたんで。」
「泊まってた?」
「はい。本城さんちに。」
「えっ!?美知流ちゃん、夕べ本城さんちに泊まったの?」
タクも話に加わる。
「はい♪」
「『はい♪』じゃないでしょう!」
ミノルが突然怒りだし、美知流はギョッとした。
「い、いけませんでした?」
「当たり前でしょう!」
ミノルの様子にコーヒーを飲みながら宮本と談笑していた本城が側へ寄ってきた。
「タク、ミノルの奴どうしたんだ?」
タクに訊くが、タクの返事よりミノルの激の方が早かった。
「本城さん!」
「な、な、なんなんだよ、いきなり。」
「昨日、美知流さんを泊めたそうですね?」
「あぁ。泊めたら全部話すって言うからさ。」
「だからって非常識ですよ!こんな若い、しかも女の子を泊めるなんて。美知流さんも美知流さんですよ。まだよく知らない一人暮らしの男の部屋に泊まって、何かあったらどうするんですか。」
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