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「それ、どういう意味だよ?」
「あ…いえ…。とにかくですね、これからは気をつけてくださいね。」
「あ、そうか。なるほど、なるほど。」
ミノル達のやりとりを横で見ていた順子が口を出した。
「なんなんですか?順子さん。」
まだ怒り口調でミノルが訊いた。
「原田君、妬いてるんだぁ。」
順子が悪戯な笑みを浮かべる。
「へぇ~、そうなんだ。」
タクもニヤニヤとしながら相槌をうつ。
「なんだ。それならミノルも呼んでやればよかったなァ。悪い悪い。」
本城まで話に乗っかる。
「ちっ!違いますよ!何で僕が妬かなきゃいけないんですか!」
ミノルは顔を真っ赤にして否定した。
「お前たち、朝っぱらからうるさいぞ。静かにせんか!」
「スイマセン…。」
武田に一喝され、ミノルは肩をすぼめた。
「さてと美知流、夕べの約束、覚えてるな?」
本城が美知流の方を見やる。
「はい。あの、会社に…現場に連れてってもらえませんか?そこで全部。」
「…わかった。ミノル~付いてきな。行くよ。」
「あ、はい。」
本城、ミノル、美知流の3人は、半笑いの順子達に見送られて出ていった。
「あ、刑事さん。捜査の方はどうですか?」
会社に着くと、高井が出迎えた。
「いえまだこれといった情報もなくて…調べているところです。これから彼女に話を聞くので、応接室をお借りできますか?」
「ええ、どうぞ。」
高井はそう言って、本城達を応接室へ案内すると戻っていった。
本城はドアを閉めると、美知流の方を向いた。
「それじゃ、話してもらおうか?」
「はい…。」
美知流は頷いて、ソファに腰を下ろすと事件のことを話し始めた。
「昨日、ウチは玲子さんに呼ばれたんです。兄ちゃんがまだあっちにいるから、結婚式の相談とか結構聞いてて。壷を触ったのはここに入った時です。この部屋に通されてソファんとこ行くときにあの壷にカバンがぶつかって、慌てて支えて戻しました。」
「昨日の話の内容は?」
「昨日の話はドレス選びの打ち合わせです。試着したのを写真撮って欲しいからついてきてって。それで、しばらく話をしてから会社を出たのが…2時半を少し過ぎてたと思います。帰ろうとしたら手帳を忘れたのに気づいて取りに戻ったんです。」
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