一枚の写真

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「……わかりました。だけど、今度何かあった時はすぐに知らせますよ?」 ミノルは懇願する美知流に、渋々黙っていることを約束した。 「ありがとう♪あ、すぐ用意するんでその辺に座って待ってて下さい。」 美知流は笑顔になるといそいそと食事の用意をし始め、ミノルはリビングで腰を落ち着けた。 しばらくすると、美知流が皿を運んできた。 「お待たせしました~。って言っても、出来合いのおかずをお皿に入れ替えただけですけど。(笑)ホンマはちゃんと料理出来るんですよ?今日はちょっと手抜き。」 「いただきます。」 「どうぞ♪」 二人は他愛のない話をしながら、ひとときの安らぎを楽しんでいた。 そして、食事が済むと美知流はさっと手早く片づけをし、寝室へ行くと着替えを持って出て来た。 「ミノルさん、ウチちょっとシャワー浴びてくるね。あ、覗いちゃダメですよ?」 「そ、そんなことしませんよ!」 そう言って顔を赤くしたミノルを見た美知流はクスクス笑いながらバスルームに入っていった。 「さて…これからどうしょっかな…。」 美知流はシャワーを浴びながら、これからの作戦を考えた。 「あの高井って人が犯人なのは間違いない思うんやけど…。何度も襲われたのに肝心の顔も見れへんかったし、確実に犯人やって言える証拠もないしなァ…。」 そう呟きながら、わしゃわしゃと頭をすすぎシャワーを止めた。 「そう言えば、写真!ウチが持ったまんまやったわ。あの写真をもう一度見てみよう。うん。」 気合いを入れると、手早く着替えを済ませた。 「あ~サッパリしたぁ♪ミノルさんもどうです?1日中走り回りで汗だくでしょ?」 「いや、僕は…。まだ仕事中ですから。」 「大丈夫、大丈夫♪サッパリした方がいい案浮かぶかもしれないし。それに着替えもあるし。」 「え?なんで男物なんか…?」 「あぁ、兄ちゃん達が泊まりに来たとき用に置いてるんですよ。」 「なるほど…。」 「だからどうぞ。後で店長がくれたアイス食べよ♪」 美知流は半ば強引にミノルをバスルームへ追い込み、ミノルは戸惑いながらも美知流に言われるがままシャワーを浴びることになった。 「ミノルさん、お背中流しましょうか?」 「えぇっ!?」 着替えを持ってきた美知流が悪戯に訊き、ミノルは驚いて素っ頓狂な声を上げた。そんなミノルの態度に、美知流は思わず吹き出した。
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