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「あはは♪冗談ですよぉ~。ごゆっくりどうぞ♪」
美知流はバスルームを出ると自分の部屋へ行き、玲子の部屋から持ってきた写真を出すとまじまじと見始めた。
「これだけ重ねて入れてたってことは、な~んかあると思うんよねぇ…。写ったのは偶然やと思うけど、この後ろの二人って何やってんやろ?なんか持ってるみたいやけど…。ちょ……まさか……これ……。」
美知流の頭に何かがよぎり、ブツブツ考えているとミノルが出てくる気配がし、さっと写真を片付けた。
「あ~サッパリした。」
「でしょ~?じゃあアイス出してこよ♪」
美知流は冷凍庫からアイスを出してくると、テレビをつけ、ミノルの横にちょこんと座った。
「おぉ~グッドタイミング♪ミノルさん、この番組見たことある?」
「若手の芸人達が競うお笑い番組ですよね?たまに見ますよ。」
「ウチ、これめっちゃ好きなんですよ~。あはははは!」
テレビを見ながら笑う美知流を見て、ミノルも笑いを誘われた。
その内笑い声が静かになり、ミノルの肩に何かが触れた。ミノルが見てみると、美知流がもたれかかって眠っていた。
「疲れたんだろうな…。」
ミノルはそう呟いて、ふっと微笑んだ。
朝。
キッチンからの物音で、ミノルははっと目を覚ました。
「ん…あ、あれ…?いつの間にか眠ってたのか。」
「おはようございます、ミノルさん。もう朝ですよ?」
朝食を作りながら、ミノルに教える。
「えっ!?」
どうやら夕べ、眠ってしまった美知流がもたれかかっていたため動けず、どうしようかと考えている間に眠ってしまったらしい。
「どうするんですか~?『泊まっちゃいけない』とか言ってたのに、自分が女の子の家に泊まっちゃって。」
「あ……。」
「めっちゃ困った顔してる。(笑)言わなきゃ大丈夫ですよ。ついでだから、朝ご飯食べてって下さいね。」
ミノルと美知流は朝食を食べると素早く支度を済ませ、代官署へと向かった。
「おはようございます。」
ミノルと美知流が挨拶をしながら刑事部屋に入ってきて、その声に出勤していた順子やタクがそれぞれに挨拶をした。
「あれ?本城さんは?」
ミノルが部屋を見回して訊く。
「本城ならもう実家の聞き込みに行ったよ。ブツブツ言ってたぞ?予定を早めたから連絡したのにちっともいないって。」
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