一枚の写真

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ねぎらいの言葉を発した武田は、本城の後にミノルと入ってくる美知流を見やった。 「タケ先輩、彼女がタレコミしてくれた本庄美知流ちゃんです。」 本城が美知流を紹介すると、美知流はペコリと頭を下げた。 「ホンジョウって…、本城さんとお知り合い?」 順子が聞く。 「ひょっとして、隠し子とか…?」 「タク!」 「すいません。」 タクは冗談まじりに言ったのだが、本城につっこまれ、首をすくめて美知流に笑いかけた。 「タク、美知流さんが隠し子なわけないだろう!」 ミノルが憤慨する。 「冗談だよ。」 「第一、こんなかわいらしい彼女が、本城さんの子供であるはずがない。」 「あ~ぁお恥ずかしいったらありゃしない。美知流を男と間違えたの誰だったっけ?」 プンプンしているミノルに、本城がツッコミを入れた。 「いやっ、本城さんあれはっ!」 慌てるミノル。 「えっ!?ミノル、彼女を男と間違えたのか?そりゃひどいな。」 ここぞとばかりにタクが反撃をする。 「お前は黙ってろよ!」 思わず叫んだミノルだったが、武田に 「静かにせんか!」 と怒られてしまい、ミノルはしょげた。 「美知流ちゃん…だったわよね?立ち話もなんだから、こっちにどうぞ。」 順子がそう言って美知流をソファに座らせると、本城がその向かい側に腰を下ろした。 「さてと。なぁ、美知流?」 「はい?」 「ちょっと気になったんだけど、ここに電話してきた時なんで俺を指名したんだぁ?そのくせ、会った時に言った『あなたが』って、俺を知ってて電話してきたんじゃないのか?」 本城が不思議そうに訊いた。 「ウチ、本城さんのこと知ってましたよ?…って言うても、名前だけなんですけどね。知り合いに刑事やってる人がおって、その人が『代官署の本城って刑事はすごい奴らしい。』って言うてたから。一度会ってみたいなぁと思ってたんですよ。字は違うけど同じホンジョウやし。」 美知流は答えるとにっこりと笑った。 「へぇ~。俺ってそんなに有名?美知流のうちってどこ?話し方からすると、大阪?」 「いえ、その隣の兵庫なんです。その刑事さんは出張で何度か東京に来てるらしくて、その時に本城さんの噂聞いたみたいですよ?」
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