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「ね、ね、俺達は?何か噂聞いた?」
タクが口を挟む。
「そうそう、『カッコイイ刑事がいる』とかさ?」
シゲもワクワクしながら訊いてきた。
「え~?他の人のことは…。ただ、代官署の人達は破天荒で、いつもやることがめちゃくちゃだって。」
「なんだそりゃあ!」
タクとシゲがガクッとコケた。
「よし!じゃあお前達、自己紹介しな。ハイ、タクから。」
本城に言われ、タクが咳払いを一つし自己紹介した。
「俺は村木 拓。『タク』って呼んでよ。」
「はい。タクさん。」
「俺は繁尾。繁尾 雅人。よろしく!」
タクの隣に立っていたシゲが自己紹介し、本城が「みんなには『シゲ』って呼ばれてる。」と加えた。
「じゃあ次は私ですね♪私は青木 順子。紅一点の美人刑事~♪」
本城やタク達は、順子の言葉を聞くと声を揃えて「えぇ~?!」と言った。
「なんですか?その『えぇ~?!』は?」
「別に…。」
順子に睨まれて、本城は笑ってごまかした。
「タクさん、シゲさん、…青木さんは?なんて呼ばれてるんですか?」
「私?順子様!」
美知流に訊かれ、順子はそう言って笑った。
「ウソウソ。『様』はつかないから。」
タクがこっそり耳打ちする。
「タぁクぅ~?」
順子がタクを睨むと
「あ、いえ、なにも~。」
と、タクはとぼける。
「あはは。皆さん面白いですね。で、本城さんと一緒にいたあの人がミノルさんでしたよね?えぇ~っと…?」
「原田です。原田実。」
「あ、そうだそうだ、原田実のミノルさん♪」
美知流がにっこりすると、ミノルもつられて笑顔になった。
「後はあっちに立ってるのが、課長と武田のタケさん。あ、怖い顔の方がタケさんな。」
本城が『怖い顔の』の部分を小声で美知流に教えると、美知流は武田を見てぷっと噴き出した。
「なんだ?私の顔に何か?」
武田が不思議そうな顔をして訊く。
「あ、いえ、何でもないです。武田さんと、課長さんですね。」
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