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「宮本だ。よろしく。」
宮本がにこやかに挨拶をすると、「本庄美知流です。」と、美知流も改めて自己紹介した。
「それじゃ美知流さん、一応調書書かないといけないので、あちらにお願いします。」
「あ、は~い。」
ミノルに言われ、美知流はミノルと一緒に取り調べ室へと入ると強盗事件の調書を作成し、それが終わると美知流は家に帰っていった。
何日か経ったある日、刑事課の電話がけたたましく鳴り、近くにいた武田が電話をとった。
「はい、刑事課。何!殺人事件?場所は!はい、わかりました。」
「タケさん、事件か?」
武田の電話の様子を見て、宮本が近づいてきた。
「課長、殺人事件です。すぐに本城達に向かわせます。」
「そうしてくれ。」
武田が本城に連絡を入れたとき、本城はミノルと一緒に遅い昼食をとっていた。
胸ポケットの中で携帯が鳴り、すぐに出た。
「本城。」
『武田だ。新宿2丁目のオフィスビルで殺人だ。ガイ者は女性、頭を殴られて死亡している。すぐ向かってくれ。』
「本城了解。」
本城は電話を切ると、ミノルを軽くこづいた。
「おい、ミノル。のんきに食ってる場合じゃないよ。事件だ、事件。いくぞ!」
「ンあ、は、はい!」
ミノルは食べるのをやめ、水を一口飲んで口を整えると立ち上がった。
本城は二人分の代金を素早く払うと、外へ飛び出した。
「ミノル。」
現場へ向かう途中、車の中で本城がふと思い出したようにミノルを呼んだ。
「はい?」
「さっきのカツ丼代、後で払えよ?」
「え?あれ、本城さんのおごりじゃ…?」
「冗談じゃないよ。ミノルにはこないだおごったばっかりだろ。」
「それなら親子丼にしておけばよかった…。」
ミノルの言葉を聞いて、本城は急に車を停めた。
「おいミノル、それどういう…!」
「本城さん!車停めちゃだめですよ!」
ミノルに言われ、本城はすっきりしない顔で車を走らせた。
「本城さん、何やってたんですか。」
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