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磯原がそう蓮子に言った。
「もっともそのつもりです。餘部社長は元々国鉄から来た人故に、我々古参の人間のとの意見の食い違いが生じかねないかも知れませんから。そうなった時、もし社長に非が無ければ一体誰が社長を護るんですか？」
蓮子は磯原にそう言うと、うつむいたままの恭壱朗の顔を除き込み、
「そうですよね？ 餘部社長。」
と、彼に確かめるかの様に言った。
「えっ!?｣
恭壱朗は思わずそう言うと、戸惑った表情で蓮子の顔を見た。それを見た磯原は苦笑しながら、
「良かったな餘部君、頼りになる味方が出来て。わしが社長の時にはそんな事すら言われなかったからな。」
と言った。
「磯原会長、枝梨さん、のろけ話はそこまでにしましょうか。待宵草が咲くにはまだ早いでしょう。」
恭壱朗はそう言うと顔を上げ、表情を正した。
「餘部君、この件に対する判断は社長である君に任せよう。いずれにせよ先方の代表である佐丹（さに）と会って話をする必要があるだろうが、いつ会うつもりだ？」
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