ミネルバの梟

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 磯原が恭壱朗に尋ねた。 「佐丹氏とは明日会う予定です。既にその件はフューチャーロード側に伝えており、先方からも良い返事を頂きました。」  恭壱朗はそう答えた。 「で、同行者はいるのか?」  磯原が再び恭壱朗に尋ねた。 「ええ。枝梨さんと綱島(つなじま)専務を連れて行きます。玉川(たまがわ)さんを同行させても良かったのですが、事が事ですから。」  彼は磯原にそう答えると、溜息をついた。 「なるほど。そう言う事だったのですねヨブさん。ホント、元銀行マンって何するか解らないわ。」  蓮子が恭壱朗にすねるかの様にそう言うと、彼は、 「いや、何も彼を責めるつもりは無いんだがな。少なくとも今の日本の都市で不動産事業をやっている会社で、銀行から来た重役のいない会社が一体何処に有る。」 と、蓮子を牽制するかの様に言った。  久司はしばらく彼らの会話を黙って聞いていたが、 「やはり玉川か……。」 と呟いた。  それを聞いた恭壱朗と蓮子は思わず久司の方を見た。
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