道筋

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 都会とも田舎とも言えないような町があった。都会から見れば田舎だが、田舎から見れば都会のような山の麓にある町だ。  この日は土砂降りの大雨が降っており、大声で叫ぼうが全て雨音で掻き消されてしまうほどの大雨だった。そんな雑音が絶え間なく聞こえる中、風船が割れたような音が町外れにある家から響く。  この時一つの家庭が崩壊した。  今この町ではある事件が起きていた。それは、この町の人が次々に行方不明になるという事件だった。すでに10数名いなくなっており、手掛かりすら見つかっていない。  警察も県警の者が大人数で町にやって来て、山も含めて捜索したが何も見つからず引き上げてしまった。今日本の治安は非常に荒れており、警察も人手が足りない状況。それが分かっていてもやはり町の人々は納得が出来なかった。  警察が徹底的に調べても尚事件は続いており、未解決のまま引き上げてしまったのだから。  町外れにある家の中から覆面を被った者が数人出てきた。その者達の1人がゴルフバッグのような物を背負っており、周囲を見回して、人目を気にしながら山の中へと駆け込んで行った。  それから数時間後、その家の中から夫婦の射殺体が発見され、その夫婦の息子が行方不明になったことが町の人々に知らされた。  
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