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覆面を被った集団はこの大雨の中傘も持たず合羽も着ずに足下がぬかるんでいる山道を黙々と登っていく。
頂上に近い高さまで登ってきた怪しげな覆面集団は足下の落ち葉や泥を足で払いだす。少しすると地面から鉄でできた扉が姿を現した。その扉を開いて中へと次々に飛び込んでいく。最後の1人が扉を外から閉めて上から泥と落ち葉をかけてカモフラージュをする。そして覆面を剥ぎ取りポケットに押し込んでから山を降りていった。
山の中に作られた室内に入った覆面の集団は奥へと進みながら覆面と濡れた衣類を脱いでいく。
その廊下は薄暗く、壁と床と天井は鉄板か何かで作られており、歩く度にカンカンと高い音が鳴る。
覆面を取った集団は全員男で人数は7人だった。廊下を進みロック付きの扉の前までやって来た。
解除方法は専用のカードを2人同時に入れるようで、扉の横にある機械に2人同時にカードを差し込んだ。
ピピーッという電子音が鳴ると扉が自動で開いた。それを確認してから男達は部屋の中へ入った。
部屋はロッカーが横に7つ並べられ、冷蔵庫に汚れたキッチン、テレビに机と種類がバラバラな椅子が7つ置いてあるだけだった。その部屋は四角形で、今男達が入ったきた扉を南とするなら、北西東の方向に3つの扉があった。
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