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その日から毎日のように、様々な薬品を少年に投与し続けた。1日に2、3種類の薬品を投与されていた少年、白衣を着た男達も2、3週間は手慣れた雰囲気で薬品を投与していた。
しかし、それから少しして
「やっとここまで来たな」
いつものように、眠っている少年を囲むように立ち並ぶ白衣を着た男達。これまでは特に緊張した雰囲気もなかったが、今日は全員が緊張した面持ちだった。
「今日までの実験は失敗を重ねて、どの薬を投与すれば成功するのかはわかっていた。
しかし今日からのこの実験はまだ答えはわかっていない。
今この付近ではスパイの者が俺達を捜している。つまり失敗してこの実験体を壊してしまうと、簡単には次の実験体は取りにいけない。
……いつも以上に慎重にいくぞ」
全員が黙って話を聞いている。そして各々バラバラのタイミングで頷いた。
「では、今日の実験を始める」
男はそう言うと、緑色の液体が入った注射器を掲げた。周りにいた他の男達は、少年の体に管のような物を取り付ける。そして最後に、少年の体を固定するように手足や胴体、様々な部分を鎖で台に縛り付けた。
注射器を持った男は周りに視線を送った後、少年の腕に注射針を差し込んだ。そして、勢いよく流し込まないようにゆっくりと流し込んでいった。
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