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男達は身構える。
どんな反応が起こるか全くわからないから。別の実験体で失敗した時に、体中から血が吹き出したり、痙攣を起こして死んでしまったりと様々な反応が起こっていた。
「…………」
数分間待ったが、特に何の反応も起きなかった。全員から安堵の溜め息が漏れた。
「……次はこの薬を」
次に青い液体の入った別の注射器を手に持った。
男が少年の小さな腕を手に取り、その腕に再び注射針を刺した。
男は少しずつ注射器の中の液体を流し込んでいく。
流し終えても最初は何の反応も起きなかった。全員が緊張した面持ちで見つめる。
何も反応しないので成功したかと思った。しかし、突然少年の体がビクンッと跳ねた。それでも少年の腕、足それと胴体は台に、鎖でしっかりと縛り付けられていたので大きく動くことはなかった。
「……拒否反応は?
大丈夫だな。なら次は」
体は拒否反応を起こしたが、それ以外に別状はなくて、実験は再開されることになった。
男は手に持っていた、空になった注射器を床に捨てた。床には、使い終わり空になった注射器がいくつも落ちていた。
そして、次は赤色の液体が入った注射器を他の男から受け取った。
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