147人が本棚に入れています
本棚に追加
｢え……ろ…だ…？｣
｢…泣きたいときは泣けばええ｡｣
菜実の問い掛けを無視して言葉が口から滑りだす｡
｢……｡｣
｢何で泣いてんか知らんけど俺でよければ胸貸すから｡
今は我慢せず思いっきり泣け｡｣
｢…っうん………えっえ…ふ…えっ…ごめっ｡｣
菜実はまた溢れるように泣き始めた｡
俺はただ小さい子をあやすように頭をぽんぽんとなでた｡
ほんとは抱き締めたかった｡
強く強く…｡
けど自分の中の何かがそれをセーブした｡
何で泣いてんかだいたい予想つく｡
きっと
小渕のことやろ…？
菜実がこんな泣くなんてよっぽどのことがあったんやろな…｡
でも
でも俺にはこういうことしかできひん｡
最初のコメントを投稿しよう！