混乱

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「……ふえ…えっ……ありがと…。」 「あぁ,もう泣くなて。」 俺はぽんぽんと頭をなでた。 「…ふえ………ごめん。」 「ええよ。 そういや俺が泣きたいときは泣けって言ったしな。」 俺はへらっと笑った。 それにつられて菜実も少し笑った。 って言っても愛想笑いほどの微笑。 けどやっぱり泣いてるよりはその方がええ。 「家全然逆なのにわざわざ送ってくれてありがと。」 「ええよ,ほんま。 なんかあの様子だと1人で菜実帰すの心配やったから。」 「ほんと迷惑かけちゃってごめん…。 それじゃ…おやすみ。」 菜実は家の門を開け入っていこうとした。 「菜実!」 「え?」 菜実はキョトンとした顔で振り返った。 「今日何あったか俺知らんし,聞くつもりないけど… なんかあったら… 辛くなったら…俺頼って? いつでも相談とか乗るから…。」 「うん,分かった…。 ありがとね。」 そう微笑んで菜実は中に入っていった。 やっぱりその笑顔も少し悲しそうだった。
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