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菜実が家の中に入っていくのを見届け,またもと来た道を戻った。
「………。」
そういえば何があったんやろ…。
小渕にひどいこと言われたとか?
それとも
もしかして
振られた…とか……?
〈チャンスやんか…〉
ふとそんな声がどこからかした。
「…っ。」
何考えてんねん…俺。
もし菜実が小渕好きで,それで振られてたとしても
そんな弱くなってるときに付け入るみたいな姑息なことしたない…。
<何きれいごと言うてんねん。
チャンスを棒にふる気か?
今優しくすれば,コロッと
落ちるかもしんないで?>
もう一人の俺がにやりと囁く。
…っ……そんなんチャンスって言わん。
そんな形で菜実が隣におっても俺は嬉しない。
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