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駅のトイレに入りパタンと扉を閉めた。
あぁ…逃げちゃった。
絶対不自然じゃん。
けど…
私のなかの仮定を事実にしたくなくて。
あの言葉の先を聞きたくなくて。
どうしよ…。
戻んなきゃ。
もう行ったかな…真美って人…。
もう出来るなら会いたくないし…。
私はそろそろとトイレから出て,健達の方の様子を伺った。
するとちょうど真美って人が帰っていってそれに合わせて私も出ていった。
「おっ,菜実,おかえり。
さっき急にどうしたん?
びっくりしたで,急に行っちゃうから。
具合とか悪かったん?」
健が少し心配そうに私を見た。
私をそんな目で見ないで…。
胸が余計に苦しくなる。
「ううん,ごめん。
もう大丈夫。」
「ほんま?
ならよかった。んじゃあ行こか。」
「うん。」
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