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「こーびぃ♪」
一人の女の子が教室に入ってきた。
「ちょ!菜実!!
それで呼ぶの止めろって言うたやん!
ハズいやろ!」
周りにいたクラスメイトを見回して小渕は顔を少し赤らめた。
「えー…こびぃって呼びやすいのに…まぁいいや。
これ見て!
ミスチルの新しいCD買ったの!!」
菜実は嬉しそうに小渕の目の前にCDを出した。
「おっ!マジ?
ええなぁ…。
俺それまだ買ってへんわ。」
「貸してあげよっか?」
「ええの!?」
小渕は目を輝かせて菜実を見上げた。
「う、うん//」
<あっ、申し遅れました//
私、前田菜実(マエダナミ)って言います。
んで私の目の前でミスチルのCDを手にとりキラキラとした目でジャケットを見つめているのは小渕健太郎、通称こびぃ。
…って言っても呼んでるの私だけな上に、さっきみたいによく怒られます。。。
だから普段は健って呼んでる>
「なぁ、菜実。
開けてみてもええ?」
「え…あ、いいよ」
<そういえばまだ外側のフィルム外してなかったっけ。>
ワクワクとしながら、けど慎重に小渕はフィルムを外し、パカッとケースを開けた。
早速自分のCDプレーヤーに入れて聞き始める。
「おぉぉ。
やっぱミスチルはいつ聞いてもええわぁ。」
目をつぶり、フンフンと少し鼻歌まじりにリズムをとっている。
<…そういえば私が健に初めて会ったときもこういう風に音楽聞いてたっけ>
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