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「えっと…小渕くん、だよね?よろしく」
「ん?」
菜実に話し掛けられ、小渕はやっと目を開け、イヤホンを外した。
「おわっ!!誰?!」
「えっ…誰って…
今日転校してきた前田菜実!
自己紹介聞いてなかった?」
「あっ、ごめんごめん。
俺音楽聞くとそっちに集中しちゃって」
<あー、さっき黒田転校生のこと言いたかったんや>
「俺、小渕健太郎。よろしく」
小渕はニカッと満面の笑みで手を差し伸べた。
「あっ、うん、よろしく」
慌てて菜実も手を差し出して握手した。
<すごい人懐っこい笑顔…。
この人はあの怖そうな人と違って優しそう>
「あっ、そうだ。
私、まだ教科書買ってないから一緒に見せてもらってもいい?」
「ん、全然ええよ」
小渕はガタガタと菜実の机に自分の机を寄せて真ん中に教科書を置いた。
「ありがと」
「どーいたしましてっ」
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