147人が本棚に入れています
本棚に追加
そして授業が終わり、菜実のところへ黒田が真っ先に来た。
「なぁ、俺、黒田俊介って言うねん!よろしくっ!」
「え、あ、うん、よ、よろしく」
黒田が勢いよく来たのと、さっきの印象とで怖くて噛みたおしてしまった。
「黒田、前田さんビビっとるて」
小渕が机を元の位置に戻しながら言った。
「あっ、ごめんごめん。
俺、見た目めっちゃ怖いかもしれんけど根はいいやつやから安心して!」
「いや、自分で言うなや」
「だってほんとのことやんかー」
「いや、だから自分で言うなて」
「だって俺ほんまにええやつやんか」
「…どうだか」
「うわ、ひどい!
健太郎さんがそんな人だと思わなかったわ!」
「って、お前はしずかちゃんか」
そんなやりとりを見ていて菜実は思わずぷっと吹き出した。
「二人とも仲いいんだね。
なんか二人の掛け合い漫才みたいでおもしろいし」
「ほんま?
小渕、俺ウケたで♪」
「お前だけやないし!
俺も含まれてるから」
「えー、今のは俺のボケのおかげやで」
「いや、俺の的確なツッコミがあったからや!」
そんなやりとりを二人が続けているとクラスの子達が続々と菜実の周りに集まってきた。
「ねぇ、ねぇ。
前田ってどっから来たん?」
「東京だよ」
「へー、めっちゃ首都やんな」
「めっちゃ首都とかお前意味分からんし。笑
てか、今どこ住んでるん?ここから近いん?」
「えっと…」
「なぁなぁ、前田好きな食べ物って何?」
「彼氏とかおるん?」
「ディズニーランドってどんなとこ?」
「えええっとぉ…汗」
最初のコメントを投稿しよう!