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俺達の高校一年は奇妙な始まりから半年が過ぎようとしていた
あのお見舞い以来俺はなんとなく失恋した気分でいた
うらんのお兄さんになんかかないっこないし、やっぱり茜ちゃんの、お兄さんを見る表情は違った
やっぱり俺は勉強して結果だすしかないと思った
うらんは俺の気持ち知っていたのか時々茜ちゃんの話しをしてくれた
そして、うらんも恋をしていた。お兄さんの後輩の黒田さんだ
俺同様、不器用な奴でいつも黒田さんを眺めていた
一年も終わりを迎えようとしていた。
卒業式…
うらんはどうするつもりなんだろう?
体育館から卒業生が去って行く。うらんはうつむいたまま、黒田さんを見ようとしなかった
俺と茜ちゃんはうらんを連れて外にでていった
そして、気持ちを伝えるように説得した
うらんはゆっくり顔をあげると、黒田さんのほうに走って行き学生服の裾を掴んだ
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