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「あぁ~!!孝介が小春と帰ってる!!」
小春と校門を出てすぐの事だった。
同級生のグループと会ってしまったのだ。
別に悪い事をしている訳では無いのだが、見つかるのが嫌だったからワザと帰る時間を送らしたのだが、かえってそれが不味かったみたいだ。
「2人で帰るために孝ちゃんゆっくりだったんだぁ」
「なんだ、小春と孝介やっぱり出来てんじゃん」
次から次へと同級生の野次は飛んで来た。
小春は俯き、孝介の顔は見る見る赤くなった。
「だからそんなんじゃねぇよ」
「何が違うの?女の子と一緒に帰ってるのに?」
「そうそう、しかもワザワザ時間をずらして」
ニヤニヤしながら言って来る同級生たちに孝介は何も言い返せなくなっていた。
そんな中、彼らに言い返したのは以外にも小春だった。
「…違うもん。私は女の子じゃないもん。孝介君と男同士で帰ってるのに何がおかしいの?」
小春は俯いた顔を上げると声を震わせながら話し出した。
その目に小さな涙を浮かべているのを孝介はただ見ているしか出来なかった。
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