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『まったく…旅に出るには早起きは必須。いつまでも母さんに起こされているようでは旅は無理ですよ』
頭を下にし壁を背中に張り付いている状態の俺には何ひとつ聞いていなかった
『はぁ…今でも心配だわ…今からでも』
母さんが独り言を言っている間に俺は寝ぼけた頭をフル回転させ昨日の事を思い出す
『………。旅…!!そうだ!今日は旅立ちの日だ!』
俺は直ぐに起き上がり父さんの所に走り出した
『ちょっと!紅蓮(グレン)!!』
父さんは家の外で知らない人と話をしていた
どうせ仕事の依頼なのだろう
『お!紅蓮やっと起きたのか?ほら紅蓮も挨拶しなさい』
父さんに手招きをされゆっくりと父さんの側による
『こんにちは…』
その言葉を聞くと知らない人は俺をみてニッコリと笑った
『この子が紅蓮君ですか。貴方ににておね』
『おいおい、止めてくれよ昔の事は』
知らない人の話を苦笑いで止める父さん
どうやら知ってる人のようだ
『それより紅蓮。母さんは何処にいった?』
『あ…』
一人部屋に置いてきてしまった
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