第十七章

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  「チンタラやってたら日が暮れる…久々に羽伸ばして暴れられるんだ こっちから乗り込んで仕掛けなきゃ損ってもんだよなぁ…」 和んでいる二人を余所に… こちらでは口に歪んだ笑みを含んだジャックが戦場と化したこの場を、楽しげに眺めている 「僕もまどろっこしいのは嫌いだよ、君の意見に賛成 でも殺したら、刹那が悲しむからダメだよ? それに僕も…やたらと殺したがる輩にはウンザリしてるんだよねぇ」 最後の言葉は私情が入っている事は間違いない だが、今まで殺せと言われてきたジャックにしてみれば殺すななどと言われるのは初めての事… そんな当然の事が理解できていないジャックは阿修羅の物言いが気に食わない 「はぁ?何甘い事を言ってんの? 殺らなきゃ殺られんだよ」 ジャックはそう言い放つと縄を掴み、船の板を蹴り勢い良く宙を飛んだ… そしてマフィアの船に上手く着地すると、顔を上げ爛々と狂気に満ちた目を見開きニタリと笑った 異様な雰囲気を纏った人相が宜しくない少年の乗り込みに、人数が勝ってるにも係わらず怯むマフィア達 これではどちらが悪者なのか…いや、どちらも悪者なのだが… 襲われているのはこちらなのだが、どう見てもジャックが襲っている様にしか見えない 「僕らは平和主義の悪人なのに、手間かかるなぁ…」 ジャックの様子を呆れながら見ていた阿修羅は、ジャック同様に敵地に乗り込んだ  
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