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Silk
ベロアに塗した金箔の粉
飾り立てるお前に似ている
こびりついた媚びにうなされ
知らない振りの俺はまたうなされる
簡単に捨てた最愛の束
逃げ場を失って行くのがわかる
さらけ出した絶望を察し
業と気付かずにお前の傷を刔る
愛して愛して
最後に消える
それが恋の結末だろ?間違ってなんかいやしないさ
式場を甘い薔薇で染めよう
嘘を隠せば少しは本望だろ
どうせ金が消えたら終わりのくせに
Oblateに緩む性だから俺はお前を殺す
眼前に消え映る最期の裸体は
潔癖な精液に塗れ
血まみれの冷静を装い
俺はまた化粧を落とす
涙に洗われた表情
ぞっとする位優しく
また寄り処を失った鳥は
後悔をする演技をする
夢見て夢見て
全て手にいれた
欲しがる物が亡くなった
欲しい物が無いから?
式場を青い薔薇で染めよう
夢を見れればきっと幸福だろ
枯れた血液がまだ泣いている
嗚呼、俺は愛していた
また咽び哭く演技をしよう
其は自分の為の演技で
観客を騙す為の物じゃない
失なう物の無い俺が失った
最期の『物』を
また無くさない様に俺は笑った
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