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「うぅ~…。ならもう一回!」
彩音が盤上の駒を全部落とし、またオセロを再開する。
「……湊、アドバイスしてあげなよ」
オセロの駒を置きながら令は言った。
「ん~、けどまあ俺がアドバイスしても令には勝てないだろ」
「何よ松本。私じゃ助言しても無理ってこと?」
「ちげーよ。令相手じゃ仮に俺が代わりにやっても勝てねーってこと」
ジト目の彩音に苦笑しながら湊は答えた。
「というより将棋だろがチェスだろがシュミレーションゲームだろが、頭使うゲームじゃ令に勝てる奴は、そうはいないって」
「そこまでじゃないよ……」
もっとスゴい人はいるって、と呟く令の操る黒駒はとっくに盤上の隅を占拠して彩音の白駒を囲みにかかっていた。
「ってか令が手加減してやれよ………」
「だって彩音が本気でやれって言ったし……」
「だからってなぁ……」
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