第一章 プロローグ

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「えぇ!どこどこ?」 こいつはものすごい甘党なのだ。こんな冗談でも目を光らせてくる。 「今のうちに!!」 俺は走った。今日一日分の体力を使うくらいに。 「あっ、コラ!また騙したなぁぁぁぁ!!」 ハハハッ騙されるお前が悪いのさ。 「疲れた…………」 あれから俺は逃げ切った……だが。 「なんで逃げんのよ」 クラスが一緒だったのを忘れていた………………。 今思えば中学から現在まで紗槻とはずっと一緒のクラスだった。 神様……恨むよ……。 「お前がうっとうしいからだ!」 「何騒いでんの?」 「黙れ、ゴミが」 こいつは時坂 陸(ときさか りく)。高校に入ってから出会ったんだが、はっきり言ってオタクだ。家にはギャルゲーやらアニメのグッズやらたくさん持っている。 「ゴミではない!俺には陸っていう素晴らしい名前が」 「お前じゃ、その素晴らしい名前もカビ以下だ」 光の速さでツッコんでやった。 「ひ、ひどいや……」 泣きながら教室を飛び出してしまった。もうすぐHRが始まるが、ほっとくか。
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