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騒がしい4月が過ぎて5月が始まった。青空で心地いい天気なので屋上で昼食をとっている。
「お弁当すごいね……」
「そうか?」
紗槻は普通な感じの弁当だが、俺の弁当は少し手が込んでいる。冷凍食品は絶対に入れない。全部自分で毎朝作っている。料理は結構できるほうだ。母親がホテルのレストランの料理長をしているため小さい頃から教えてもらっていた。
「手が込んでておいしそうだね」
「でも紗槻だって作ってんだろ?」
「そうだけど、レベルが違うっていうか……」
少し沈んでしまったみたいだな。…………そうだ!
「今度また教えてあげるからさ、元気だし」
「ホントに!?やったー!」
ソッコーで直りましたこの娘。
「響、あ~ん!」
完全に戻った紗槻はいつものテンションでくっついてきた。
「恥ずかしいから止めろ」
「あ~ん!」
止めてくれないようだ。さて、どう乗り切るかな……。
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