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  「お前はゲルドの谷へ行ったな。」   「ああ。」   「朝は灼熱の風、夜は荒涼の風。谷の風は"死"を運んできた。」     塔のてっぺんから遙か遠くに巨大邪神像が見えた。   その周りに広がる砂地。     「見ただろう、あの砂嵐。あれはわしが生まれる前からああだった。」         盗賊だったゲルド族。 ゲルド族には女しかいなかった。 百年に一度だけ男が生まれ、その男が首領となる決まりがある。   ガノンドロフもその一人。  
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