28人が本棚に入れています
本棚に追加
「お前はゲルドの谷へ行ったな。」
「ああ。」
「朝は灼熱の風、夜は荒涼の風。谷の風は"死"を運んできた。」
塔のてっぺんから遙か遠くに巨大邪神像が見えた。
その周りに広がる砂地。
「見ただろう、あの砂嵐。あれはわしが生まれる前からああだった。」
盗賊だったゲルド族。
ゲルド族には女しかいなかった。
百年に一度だけ男が生まれ、その男が首領となる決まりがある。
ガノンドロフもその一人。
最初のコメントを投稿しよう!