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「なっ…!!!」
紅一が司と蒼子のそばに駆け寄る。そして司から蒼子を奪い取る。
蒼子は司の不意打ちにあっけに取られ、紅一の反応の早さに驚いた。
「このやろー!」
紅一が睨みつけると司は「やーい!バカップル!!!」おどけて笑う。
少しの沈黙の後、3人は同時に「ふっ…」と吹き出す。
「司、帰ってくるの待ってるからね。がんばって!」
「ああ、ありがとう!…蒼子、紅一に飽きたらすぐ俺のとこ来いよ」
「あきねーよ!やらねーよ!」
司はその言葉を聞いて安心したように笑い
「ああ…2人とも元気でな。いってくるわ」
司は搭乗口へと向かった。
搭乗口手前で振り返り司は声を張り上げた。
「蒼子!!!だいすきだぞー!!!!」
周りの人々は皆、振り返った。
「ば、ばか!!!」
恥ずかしそうに蒼子は紅一の後ろに隠れる。
司はにこっと笑い手を振りながら旅立った。
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