5944人が本棚に入れています
本棚に追加
澤田ちゃんが言ってることは、何かの間違いだと頭ではわかっている。
わかっているけど、こうちゃんが私の知らない間にそんなことしていると想像しただけでドキドキしてる。
顔が熱い。
あーもう!
私は頭を振る。
「あ、青山さん!?」
びっくりした顔で澤田ちゃんは私を見つめる。
「ううん、何でもないの。ごめんね。」
冷静にならなきゃ。
だって、こうちゃんは私を女として見てないんだよ?
好きになったところで、また傷つくだけ。
もう…傷つきたくないのに。この気持ちを過去の傷で止めることが出来るのだろうか…。
私は何となく自覚し始めていたんだ。
こうちゃんを好きだと。
「ふぅーー」
深い溜め息をした。
澤田ちゃんは目をくりくりさせて何か話したそうにしている。
「ごめん、取り乱した」
「青山さんがそんなに取り乱したとこ見たことないですよ。いっつも冷静だし、頼りになる姉御ってイメージだったんで…あの、あくまで二人ができてるっていうのは噂なんで気にしないで下さいね」
その言葉を聞いて私は苦笑いで返すのが精一杯だった。
最初のコメントを投稿しよう!