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──翌日
「おい、沢渡。ちょっと来い」
明らかに怒っている先生を見て恐怖心を得た。
そのすぐ横でニヤリと微笑んでいる楓がいた。
そしてその口はこう動かされていた。
きのーさぼったのがいけないんだぞ。
声は発してはいなかったが大体わかった……裏切りだ。
こってり30分説教をくらい、更に放課後3時間の強制清掃を命じられた。
「かーえーでー。お前、裏切ったなー」
楓は本気で怒る俺に、「へっ、なんのこと?」ととぼけた顔をしてきた。
「昨日説明したろ、用事があるって」
半分呆れ顔で言い放つ。
すると楓は目を丸くして、「えっ?あれうそだとおもってた」と言う有り様。
余りにも軽々と裏切られたので、逆に清々しかった。
やはり腹立たしいが……
余談ではあるが、その後どうにかして掃除を避けるため楓も使って説得し、なんとか誤解を解くことに成功し、掃除に怯えることなく学校生活を過ごすことができた。
椋は今日も休んでいた。アフレコとやらがあるらしい。
仕事を頑張っている椋は偉いなとか思っているとその偉人からの着信があることに気がついた。
何回かかけ直してみたが、結局連絡が着かなかった。
仕事が本当に忙しいらしいな。かなり虚しいが……
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