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──なんだかんだで約束の時間になった。
「来たぞ」
約束の場所には予想通り女装をした椋が待っていた。
「待ってたよ。じゃあ僕についてきて」
そう一言だけ告げるとトコトコとある場所に向かって歩き始めた。
「なあ、どこに向かってんだよ」
そんな俺の質問に、
「内緒。とりあえずついてきてよ」
そう言って目的地に着くまでごまかされた。
──30分後目的地に着いた。
そこは街から少し離れた場所に建っている白いビル。
お世辞にも高いとは言えないくらいの高さ。だいたい4階くらいだろうか。
入り口には「タチバナプロダクション」と書かれた看板があった。
「おい、ここってもしかして……」
確認するように問うと、
「もう気付いてるかもしんないけど、ここは僕の所属している事務所でーす」
無邪気な声で予想通りの答えを返してきた。
「やっぱりね……」
思わず溜め息混じりの声が出てきた。
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