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なんでも昨日の椋の言葉を鵜呑みにしてくれたアニメ会社があり、是非ご一緒にとのことだ。
「まったく、迷惑な話だ」
「そんなこと言わないでよー」
だだっ子のように甘えてくる椋は本当に可愛らしかったのだが、
「いいか、椋。これは立派な仕事なんだ。遊びじゃないんだ。だから俺みたいな素人がそんな簡単な理由でやっていいわけがないんだ」
そう言い聞かせると椋は黙ってコクリと首を縦に振った。
よかった。安堵に浸っていると椋は、
「朔くんが出ないなら僕も出ない」
とまただだをこねだした。
もうこうなったら椋も頑固で、出ないの一点張り。
社長も困り果てている様子。
仕方がないので俺も出てあげることを決意した。
その時の椋の顔はどんな女性の笑顔より可愛く見えた。
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