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「いやっ、そんなわけがない。あっていいわけがない」
確かにこれは可愛い声だがそんなに俺の周りに声優がいるとは思えない。
「でも本当だよ」
首を傾け、口に指を抑えながら言う。
「可愛くしたって信じねえぞ」
すると今度は、頬を膨らまし、怒りを表現しているように見えた。
だが、その怒りの表情はあまり恐くなくむしろ可愛いと思った。
「だから可愛い顔してもダメ」
「むーっ。これは怒ってるんだー。見てわからないのかー」
両手を挙げて更に怒りを表しているが全然恐くない。
だが、これ以上おちょくると後が辛そうなのでこの辺にしておこう。
「……んで、本題に戻すが、本当に楓は声優なんだな」
「さっきからそう言ってんじゃん」
横で椋があーだこーだ言っているが放っておこう。ちなみにこのあーだこーだだが比喩ではなく本当にあーだこーだ言っているのでやかましくてしようがない。
「椋。今、俺は楓に質問しているんだ。少し黙っててくれないか」
そう言うと椋は、シーンと言って何も口に出さなかった。ちなみにこのシーンも比喩ではなく本当に言っている。
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