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「私は松宮綾(マツミヤアヤ)。椋とは仕事仲間よ」
綾の美声に少しときめく俺を見て椋は綾に少し嫉妬していた。
そんな椋はスルーして、「へぇー、そうなんですか……って仕事!?」
綾の言葉に食い付いて訊いた。
「そう、仕事。……もしかして椋、この子にまだ言ってなかったの?」
「えっ、伝えるべきだったの?」
「当たり前じゃない。あなたバカなの?」
ちょっと喧嘩腰になりながらも呆れていた綾に対してあくまでいつも通りの無邪気な対応の椋は少し違和感を感じる。
「あれ……そういえば、松宮綾ってどこかで聞いたことあるぞ……」
俺の何気無い一言に綾は真顔で、
「だって一応芸能人だもの。聞いたことぐらいはあるでしょ」
と呆気なく返された。
「……ちょっと待て。ってことは椋も芸能人……ってこと?」
少し裏返った声で質問してみる。
「「正解」」
二人のハモり具合に何も言うことも出来ずに固まる。
親友が芸能人だったなんて衝撃的なことを聞いてしまったから……
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