満月に届く音色

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      ――――――あれから数年。           俺はピアノ教室を開いた。           数少ない生徒と、         看板娘のような             黒猫。             最初はまたあいつが来たのかと思ったが、どうやら違うみたいだ。       懐きもしない、甘えもしない。     ただ一緒なのは、 ピアノを聴く時の様子。             生徒が帰ると、 ピアノの上に寝転び微笑みながら 俺の音を聴いている。                 満月の夜、 今はこいつの為に音を奏でる。       まるでこいつに 恋をしているかのように。             ほら、また微笑んだ―――……。                 満月に届く音色       ゚+END+゚
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