逢瀬

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胸におかれたその手が、私の服をたくしあげた。 一瞬、私は体をこわばらせた。 そして、ブラジャーの下にのびた手を私は、振り払って居た。 ためらいの気持ちがそこにはあった。 久しぶりに、触れられた胸の鼓動が早くなった。 遠い過去の記憶が、蘇った瞬間。 別れた旦那に、最後に抱かれたあの日。 愛のないセックスと、旦那を受け入れても、何も感じない私が居た。 ここまで来ておきながら、あの日が交差して、私を止める。
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