逢瀬

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見ないで…恥ずかしい… 恥ずかしがらなくていいよ…どんな紗香も見て居たい…好きだよ、紗香… 好きの言葉は魔法… その言葉ひとつで、全てを許してしまう… あっ…誠…私も…好き… 私は、誠にしがみついた。 私は、まぎれもなく女… 三年の間、母としてだけ生きて居たが、あなたの前では、女なのだ… ずっと動き続ける指に、女として感じ、そして声を漏らす。 私を見つめて居たあなたの顔は、私の女の部分に下りて行った。 私は、何度も声をあげ、少し意識が遠のくのを感じた。 その瞬間…あなたが私の女の部分に入って来た。 二人がひとつになった。 だけど… 指で舌で感じた私は、そこに居なく、私の中で動くあなたの動きに、ただ、流されて行った。 やはり、私は感じない… 頭の中に、その想いが回って行く。 私は、感じない… 私の中で、果ててくあなたを受け止めながら、私は一筋の涙を流した。 私は、男を感じる事が出来ない…
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