逢瀬

17/31
前へ
/206ページ
次へ
ようやくひとつになれたのに…なぜ? ただ、涙が溢れて行く。 誠に気付かれてしまう… それは、ごめんねの涙… 心の中で、誠に何度もごめんねを言っていた。 紗香… 私の涙を拭う誠がいた。 誠は、私を抱き寄せ、きつく抱き締めた。 ごめんな…紗香… なぜ謝るの?悪いのは私…心でそう言った。 誠…私… 言いかけて、私は、それ以上の事を、話せなかった。 紗香? ううん…何でもない… 私は、誠の腕の中で、自分を責めて居た。 誠は、長時間の運転で疲れたのだろう… スーっと寝息を立てて、眠って居た。 私を抱き締める腕は、緩む事は無かった。 私は、眠れず、ただ目を閉じて、誠の腕の中に居た。 誠…ごめんね…
/206ページ

最初のコメントを投稿しよう!

296人が本棚に入れています
本棚に追加