深窓の姫君

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深窓の姫君

彼女はいつも暗がりに居た。 綺麗な間仕切りの中に、 四角く区切られた空間に。 彼女はいつも貴方を見ていた。 薄絹で隔てられた世界から、 薄くも厚い壁の中から。 彼女はいつも夢を見ていた。 貴方に掠われる夢を、 貴方に抱かれて眠る夢を――
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