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こちらは先に出ていた季衣と流琉。
数人の兵士たちとともに轟音のあった辺りを捜索していた。
「ふぅ……なかなか見つからないなぁ」
「そうだね……あ、あれって!?」
「ん~?」
流琉が指差す方向をまじまじと見つめる季衣。
数十メートル先に怪しげな穴があいていた。
「あれかな?」
「うん、多分……」
「よ~し! ボクはちょっと様子見てくるから流琉はここで待ってなよ!」
そう言うと季衣は穴に向かって元気よく走り出した。
「ちょっと!? 危ないよ!」
「平気平気!」
季衣はどんどん穴に近づいていく。
「へぇ。結構深いんだなぁ……」
季衣は穴の淵に立って、下を覗き込む。
深さは大体十メートルといったくらいだろう。
それは明らかに人為的に出来たものではなかった。
「中から化け物でも飛び出してきたりして……って、そんなわけないか」
自分の想像に少し怖くなった季衣はわざと明るい声を出して自らを励ます。
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