はじまり

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退屈な世界。 つまらない。 壊れてしまえ。 壊れないなら…… 俺が壊してやる! 「うぉぉぉぉぉぉ!!!」 俺は何度目になるかわからない雄叫びをあげる。 「く……こいつ、どこまでしつこいんだよ……!」 「おらぁ!」 ぶんっ! 気合いを込めた拳は、当たることはなく空を切る。 「ちっ……いい加減に諦めろよ!」 俺の拳を避けた男はイライラとした様子で俺を睨む。 そして俺の腹部目掛けて膝げりを入れてきた。 「ぐふ……っ」 もろに鳩尾に決められてしまい、吐き気をもよおしてしまう。 「ふん。ここまでよく戦ったが、流石に限界か」 男は俺の背後を見る。 幾重にも重なる、人。 それらは全て、俺が倒してきたやつらだ。 その数、約30。 いずれも得物を持っていたのだが、俺はそれらを全て蹴散らしてここまでたどり着いたのだ。 この男と戦うために……。
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