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しかし、最後に出てきた男は違った。
今回俺に喧嘩を挑んできたのは、関西に本拠地を置いている族だった。
メンバー一人一人が腕利きの者らしく、関西ではそいつらにかなう奴はいないとのことらしかった。
しかしそいつらも俺にとっては雑魚に等しい。
俺は特に苦しむこともなく蹴散らしていた。
そんな時に出てきたのが、この男だ。
白い髪で、目元は何か顔料を塗っているようで、パッと見た感じでは優男風で弱そうだった。
しかし、俺はそんな弱そうな奴にボコボコにやられた。
こんなことは初めてだった。
「わからない。自分でもなぜ戦ってるのか、考えたこともない」
「……………………」
男は俺のことを不思議な物を見るような目で睨んできた。
「そうか…………さあ、トドメだ」
男は足を高く振り上げる。
俺は立ち上がったはいいが、抵抗する力はもう残っていなかった。
「待ってくれ」
「……何だ?」
「あんたの、名前は?」
俺を初めて苦しめた男。
俺はそいつの名前をなんとしても知りたかった。
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