はじまり

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「いいか、お前は選ばれたんだ。使命を果たすために」 「使命? 使命って何の?」 「お前は世界を救うんだ」 「世界?」 「ああ、そうだ」 「俺が?」 「多分な」 「なぜ?」 「さあな」 「おいおい、随分と適当だな……」 「うるさい。俺だって戸惑ってるんだ」 男は『フンっ』とそっぽを向いてしまった。 俺は男のそんな仕草が何だか面白くて笑いそうになってしまう。 「いかん。もう時間がない」 男は辺りの様子をうかがいながら焦り出す。 「最後に一つだけ言っておく」 男はそこで一呼吸の間を置く。 「死ぬなよ」 「っ!?」 その瞬間、何か強い力に引っ張られるような感じがし、俺は男から引き離されていく。 「俺の名前は左慈。機会があればまた会えるさ」 「うぉぉぉぉぉ!!!!」 俺はそこで意識を失った。
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