第一章

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霊夢は考える。 その考えならば既に浮かんでいた。しかしそんなことが有り得るのだろうか。 だが現に自分は見ず知らずの、幻想郷とは程遠い瘠土の上にいる。 ここが幻想郷でないならば一体何処なのか。また、何故こんな所にいるのか。 前者の答えは考えても出そうにない。 しかし後者ならば心当たりがある。 「はぁぁ、紫の仕業かしら」 霊夢は大きなため息をついた。 八雲紫(ヤクモ ユカリ) 幻想郷に住まう妖怪である。 あらゆるものの『境界』を操ることができ、その力は神にも匹敵するほどのものだ。 その力で幻想郷外の人間を結界内に引き入れる、所謂「神隠し」をするのも彼女だと言われる。 神隠しをしたり、月に攻め込んだりする彼女ならばやりかねないことであった。 「なんとも言えないな」 だが魔理沙は否定も肯定もしない返事をした。 この状況で彼女の所為だと決めつけるのは賢いとは言えない。 それに、そんなことを考えても事態は進まないのだ。 魔理沙は話題を変えた。 「ところで、お前が起きる前に色々試したんだが……」 「何よ」 「……コレを使ってみろよ」 魔理沙は自分の額のソレを指さす。 霊夢は困惑したが、友人がじっと見つめてくるので、額からスペルカードを取り、立ち上がって発動の宣言をした。 「夢想封印!!!」    
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