12歳の時

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ようやく、医者がきたのはクリアが倒れてから、一時間ほど経ったころだった。 取り合えず、医者の処置が効いたのか、クリアは穏やかな眠りについていた。 「先生……クリア様の容体は?」 医者は、険しい顔をしながら確認する。 「右目を押さえて……倒れこんだのですよね?」 ライゼルは怪訝そうな顔をする。 「そうです。それがどうかしたのですか?」 医者の顔が、確信を得た顔に変わる。 「患者の症状は……魔眼覚醒だと思われます。」 ライゼルには聞き覚えはない症状であった。 執事として様々な知識を身につけることをしてきた彼は、医療関係の知識も持ち合わせていた。それでも知らなかった。
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