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ようやく、医者がきたのはクリアが倒れてから、一時間ほど経ったころだった。
取り合えず、医者の処置が効いたのか、クリアは穏やかな眠りについていた。
「先生……クリア様の容体は?」
医者は、険しい顔をしながら確認する。
「右目を押さえて……倒れこんだのですよね?」
ライゼルは怪訝そうな顔をする。
「そうです。それがどうかしたのですか?」
医者の顔が、確信を得た顔に変わる。
「患者の症状は……魔眼覚醒だと思われます。」
ライゼルには聞き覚えはない症状であった。
執事として様々な知識を身につけることをしてきた彼は、医療関係の知識も持ち合わせていた。それでも知らなかった。
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