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彼は、いつもどうりに二回、三回とドアをノックする。
「どうぞ。」
中からの声に従い、彼は室内に入る。
室内は廊下にあったものとは、比べものにならないほど立派な装飾が施してあり、家具も全て一級品と分かる物ばかりである。
その部屋にいるのは、一人の少女であった。
「久しぶりかな、ルナ。」
彼にルナと呼ばれた途端、少女は弾丸のように彼のもとへと飛び込んできた。
「兄ぃぃさぁぁあぁん!!」
長い栗色の髪を一つに結んだポニーテールを揺らしながら、彼に抱き着く。
「ルナは大袈裟だな、まったく。」
彼は優しい笑みを浮かべながら、ルナの頭を撫でる。
「今日は、ルナに話しがあるんだ。」
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