1話【起動】

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私は寮に帰り着くまでの間、あの占い師の事を百合に愚痴っていた。 「ホント信じられない!!ぜぇぇぇえったい店の名前を馬鹿にされた腹いせよ!!あ―――ムカつく」 「まぁまぁ落ち着いて」 百合は苦笑しながら私の愚痴を聞いている。 「百合は何て言われたの?」 「思いを寄せてる人から、今日、告白されるって」 頬を紅く染め可愛らしい仕草を見せる。 「当たんないわよ」 「ひっどぉーい!!せっかくいい気分でいるのに……まあ確かに、五百円なんて破格の占いだし当たんないかもだけど」 私達は寮に帰り着くまでの間、今日の占いの話題でもちきりだった。 ――帰宅―― 「あれ?何これ?」 部屋の前まで辿り着くと、扉の前に小包が置かれている事に私は気が付いた。  サナミ アヤ 【佐波 綾様】 「これって私宛てじゃなあーい!!誰よこんな所に置いていって、盗られたらどうするのよ、まったく……」 小言を呟きながら玄関の鍵を開け、私はベットに寝転がった。 「一体なんだろこの荷物……。送り先は不明だし、でも“親展”って書いてるって事は大事な物って事は確かよね?」 送り先が不明な事に、開けるのを戸惑っていた。 変に用心深い私はしばらく考え込み、刻々と時間だけが過ぎていった。 ―PW8:00― 「よし」 開ける事を決めた私は、包装を除ける為にハサミを探す。 ガチャガチャ……ゴトン! 「わぁっ!」 バタンッッッ! 「いったぁー、もう!」 ベットの上から棚を開け、手探りでハサミを探すなどとしていると、棚が外れて床へと落っことしてしまったのだ。
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