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私は寮に帰り着くまでの間、あの占い師の事を百合に愚痴っていた。
「ホント信じられない!!ぜぇぇぇえったい店の名前を馬鹿にされた腹いせよ!!あ―――ムカつく」
「まぁまぁ落ち着いて」
百合は苦笑しながら私の愚痴を聞いている。
「百合は何て言われたの?」
「思いを寄せてる人から、今日、告白されるって」
頬を紅く染め可愛らしい仕草を見せる。
「当たんないわよ」
「ひっどぉーい!!せっかくいい気分でいるのに……まあ確かに、五百円なんて破格の占いだし当たんないかもだけど」
私達は寮に帰り着くまでの間、今日の占いの話題でもちきりだった。
――帰宅――
「あれ?何これ?」
部屋の前まで辿り着くと、扉の前に小包が置かれている事に私は気が付いた。
サナミ アヤ
【佐波 綾様】
「これって私宛てじゃなあーい!!誰よこんな所に置いていって、盗られたらどうするのよ、まったく……」
小言を呟きながら玄関の鍵を開け、私はベットに寝転がった。
「一体なんだろこの荷物……。送り先は不明だし、でも“親展”って書いてるって事は大事な物って事は確かよね?」
送り先が不明な事に、開けるのを戸惑っていた。
変に用心深い私はしばらく考え込み、刻々と時間だけが過ぎていった。
―PW8:00―
「よし」
開ける事を決めた私は、包装を除ける為にハサミを探す。
ガチャガチャ……ゴトン!
「わぁっ!」
バタンッッッ!
「いったぁー、もう!」
ベットの上から棚を開け、手探りでハサミを探すなどとしていると、棚が外れて床へと落っことしてしまったのだ。
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