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落とした棚を直す事もなくハサミを見付けて、送られてきた小包を開ける。
「何これ?」
中には黒光りしたゲーム機が入っている。
何気なく画面を見ていると、勝手に電源が入り画面には文字が浮かび上がってきた。
【このゲームに参加しますか?】
「バッカじゃなーい?するわけないでしょうが」
理不尽的な出来事に私は思わず独り言を発する。
『いえ、貴方に選択肢はありません、佐波 綾【サナミ アヤ】様には参加して頂きます』
私は目を見開いた。
そして後から気味悪さと恐怖感に襲われる。
「なっ、何よこれ……。気持ち悪い」
ゲーム機から声が流れる事もそうだが、何より私の名前を答えた事に私はただならぬ恐怖を感じたのだ。
私は色々な可能性を探っていた。
例えば誰かのイタズラだとか、たまたま偶然だとか、色々考えてみたが結局答えが見つかるわけではない。
そんな私の事はお構いなしに、そのゲーム機は坦々と喋り続ける。
『佐波 綾様、貴方の個人情報は既にインプットされています。
例えば…
年齢20歳
身長164㎝
体重49,2……』
「な……っ、ちょっ、ちょっと!言うの止めないと叩き壊すわよ!?」
『壊すと爆発しますがよろしいですか?』
「ハッタリでしょうが!?」
『壊したらわかります』
「うっ……」
ゲームのくせに異様なまでの威圧感に私は圧倒され、壊すことを躊躇った。
何より私の話しに受け答えする時点で危ないような気がしたからだ。
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